2018年02月23日

二月博多座花形歌舞伎 夜の部

【義経千本桜】渡海屋・大物浦
 松也さんの渡海屋銀平、若々しくて颯爽として張りがある。厚司をぞろっと羽織った姿も格好良い。

 そしてその銀平の格好良さにもましてビシビシ感じた勘九郎さんの存在感。相模五郎の勘九郎さんが花道に登場した瞬間、客席に漲る待ってました感”のすごいこと。勘九郎さんが何か一つ動くたび、何か一言しゃべる毎、客席の目が耳が勘九郎さんに吸い寄せられていく感じ。何とも言えぬ華やかさが漂うようになったなぁ、勘九郎さん。大物浦〜髑髏の額あてと白装束の覚悟漲る姿で現れた相模五郎、動きのいちいちのキレよく美しいことに見蕩れました。

勘九郎@相模五郎.jpg


 安徳帝を演じた子役さん、まっすぐ通る澄んだ声、上手い、かわいい。稚さが憐れを催す美しい幼帝でした。

 銀平女房お柳・扇雀さん、渡海屋の場での世話女房ぶりは手慣れたものという感じ。一転、大物浦では栄華を極めた平家一門としてのプライドと側で成長を見守ってきた安徳帝への情愛の深さが胸をうつ典侍の局でした。

 入江丹蔵・・・渡海屋〜大物浦の場面に出てくる人物たちの中で、実は一番好きなキャラクター。櫂に仕込んだ刀を手にした拵えと、凄絶な戦いぶりがたまらなくてねぇ。橋之助さん、凛々しい丹蔵でしたが、もう少し滅亡を前にした凄惨な色気が欲しかった。

 謀りに謀った企みが破れ満身創痍で怨敵とまみえる知盛・松也さん。バラエティ番組などで見る男前な笑顔が目に焼きついているせいか、あんな地を這うような声を出すとは・・・と意外ではあったのだけど、それは違和感というのではなく。源氏への復讐を期し、怨みに燃え、六道の苦しみを語る姿は、確かに生きている一人の男・・・生々しい知盛でした。

【鰯売戀曳網】
 十年ちょっと前の勘九郎さんは真面目で折り目正しい好青年という印象だったのだけど、いつのまにやら少しずつ柔らかさや大きさを身につけて、見ているだけでほんわりとあたたかく幸せな気持ちにさせてくれる役者になっているんだなぁ。そんな勘九郎さんの猿源氏をみていると、やはり勘三郎さんの面影が浮かびます。

 鰯売りの猿源氏(勘九郎)と傾城・蛍火(七之助)のおおらかな恋物語。二人のやりとりが微笑ましくて、ほんわかと良い心持ちにしてくれるお芝居でした。

 それにしてもまあ、晴れて幸せをつかんだ蛍火の暴君ぶりがなかなかすごくて(笑)、せっかく姫を見つけて救いに来た家臣・次郎太(橋之助)にあんまりな仕打ち・・・次郎太が不憫でならない(笑)。

 そして、わたし的にもう一つのお楽しみ・・・新悟ちゃんの傾城・薄雲。美しかった。満足。ちょっと意地悪なとこも刺激的でイイ。本当に、ここ数年の新悟ちゃんの美しさはとどまるところを知らないなぁ。目がはなせません。
ラベル:歌舞伎
posted by sweet_pea at 21:57| Comment(0) | 歌舞伎観劇の記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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