本屋さんでパラパラめくって見てるときに『佐野史郎』の項が目に入って「これは良い辞典だ。」と判断した。
乱歩作品に登場するキャラクター、台詞、場所、事柄、乱歩自身や作品にまつわる人物、キーワード、関連作品等々・・・最近、「サブカル」って言葉をあんまり耳にしなくなったけど、かつてちょこっとサブカルをかじってた人にはワクワクとニヤニヤとノスタルジーを感じさせる辞典ではなかろうか?
私の乱歩初体験である高階良子さんの漫画『ドクターGの島』も載ってる。思えば、この高階良子さんの漫画版を読んでた小学生の頃(この『ドクターGの島』とか『パノラマ島奇談』を原作にした『血とばらの悪魔』とか)と、一人暮らしをしていた鷺ノ宮駅裏の古本屋さんで創元推理文庫の乱歩作品を買ってきては読み耽っていた二十歳前後の頃が一番熱心に乱歩を読んだ時期かもしれない。
添えられたイラストも大きな楽しみの一つ。登場人物を描いたものについてはちょっとイメージが違ったものもあったのだけど、着物女性たちの妖艶さにはドキドキしてしまう。
辞典の中ほどに収録されたコラム「ドキュメント『悪霊』騒動」で紹介される、休筆宣言をした乱歩と何とか新作を掲載したい『新青年』編集部の火を噴くような攻防は、それ自体がスリルに満ちた一つのエンターテインメントというか、一篇の文芸作品というか・・・何か圧巻だった。
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