『じつは、わたくしこういうものです』 
クラフト・エヴィング商會
「月光の密売」「極小音楽の作曲」「大切な時間の保管」「「ひらめきランプの交換」「大変ことになってしまったワインのコルク栓のレスキュー」・・・等々、不思議な仕事を生業とする人たち。それぞれの仕事道具を手にした姿や独特なアイテムの写真とともに、仕事との出会い、こだわり、仕事上のちょっとしたコツなど、仕事師たちへのインタビューを収めた架空のお仕事図鑑。
多分この世のものではない仕事が存在する世界にうっとりと酔いたいと思うけれども、「不思議な仕事たち」の幻想性と、その仕事師としてポートレートにおさまっている人たちの「現実にちゃんとしている社会人」的存在感が何だかそぐわない気がして、上手くハマれない。むしろ、巻末に収録された「じつは、わたくしほんとうはこういうものです」〜この本でモデルをつとめた人たちの本当のプロフィールをそれぞれの方の顔写真と見比べながら読む方が味わい深かったり・・・。
そんな中で、冷たい水をたたえた塔の守り人「冷水塔守」は、その仕事を「任務」と呼ぶ女性仕事師の佇まいと、水の塔を守るという仕事の異次元っぽさが妙にマッチしてその不思議な感じが心地よかったのだが、「冷水塔守」星加見子に扮しているのは小説家の小川洋子さんだった(「じつは、わたくしほんとうはこういうものです」を読んで気づいた)。
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一読したときにはちょっとギクシャクして充分にこの世界を楽しめなかったんだけど、一度巻末のタネ明かしまで読んで再度読み返すと、もう少し柔らかに「ああ、いいな」と感じられるところが増えた。「白シャツ工房」の仕立て屋さんにはいつかお会いできるといいなと思う。
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posted by sweet_pea at 23:46|
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